築55年の空き家

【相談】実家の空き家管理どうしよう

築55年、父が建て自分の育った家が空き家になってしまいました。今のところ私を含め兄弟が実家に戻る予定が立たない状況です。近所のこともあって家や庭、畑の管理に週に二、三度通っていますが、このままでいいのか不安です。(昭和30年代の棟上げの様子↓)

木造住宅 在来構法 1963年の棟上げの様子 木造住宅 在来構法 1963年の棟上げの様子

【答え】空き家対策の支援をさがす

除却支援と活用支援 空き家再生等推進事業(国土交通省)>>

まず、市役所などの「空き家相談窓口」で、昨今変わりゆく「空き家関連の法律」や制度について聞いてみましょう。

先駆けを行く自治体では、空き家問題に応じていろんな制度を試しています。

たとえば、某県では古民家を活用するために初期調査(ヒアリングと間取り調査)や活用するための課題の整理と活用のための提案を「専門家を派遣」しておこなってくれます(所有者負担はゼロ)。

また、某市では家の「耐震診断」を無料、耐震性が不足していたらその「補強設計」のほとんどを補助し、「補強工事」にも100万円以上を補助用意しています。

介護が必要な方の「介護改修」は介護保険の利用ができますし、そのほか断熱性を上げる「エコ改修」や高齢者の助けになる「バリアフリー改修」の補助を別途用意している場合も多くあり、自治体の課をまたいでのサポート(=補助金)を検討する余地もあります。

いっぽうで「空き家支援のNPOなどの団体」を地域で探してみることも一案です。空き家の「借り手をマッチング」してくれたり、事前に改修しなくても借り上げてから改修し、借り主を捜してくれる「サブリース*」を得意とする団体も増えているからです。また、定期的な見守りや草引きも受けてくれるようで助かりますよ。

サブリース*(Sublease)とは、又貸し(転貸)のことです。勝手な又貸しといった悪いイメージがありますが、いまどきのサブリースといえば、転貸を目的として空き家を一括借上するシステムのことをさします。

サブリースのメリットは煩雑な借家人捜しやニーズに応じた改修の設計・工事な、どわずらわしいことをひっくるめてサブリース業者にまかせることができる夢のような賃貸形式です。ただしデメリットもよく確認して、信頼できる「サブリース業者」をみつけなくてはなりません。

インバウンド**景気の影響で、空き家を利用した民泊施設や短期利用のシェアハウスなどへの転用が多く行われています。

インバウンド**(Inbound)とは、外国人による旅行のことで、日本へのインバウンドを「訪日旅行」などといっている。

151101町家再生 空き店舗
二階建て長屋の一軒をみんなの居場所に「wacca」(大和八木)

放置空き家が地域の問題化する昨今、アンテナをはって大事な実家が今後も健全にいかされていくよう動いてみましょう。

どこに相談にいったらよいか、実家の家の客観的な魅力・価値をききたいなど問題初期の総合的なご相談もお寄せください。