基本理念 : 歴史文化遺産の着実な保存、継承と活用を進め、「地域を愛する人」を増やし、「魅力あふれる兵庫」を実現する
「登録文化財は、法により指定を受けていない建造物のうち、保存及び活用のための措置が特に必要とされるものを登録しているが、引続き、地域活性化や住民の歴史文化遺産に対する意識醸成に寄与するものの登録や、歴史的景観形成地区等を参考に定める重点文化財活用地区内の建造物の登録を積極的に進める」
「重要文化財等は建築基準法が適用されないが、登録有形文化財等についても、条例で現状変更の規制及び保存のための措置を講じた場合、特定行政庁が「建築審査会の同意」を得て指定したものは、建築基準法の適用を除外できることとなっている。地域計画や保存活用計画によりこの仕組みの運用が円滑に進むよう、参考となる情報を提供する」
コロナウイルスで識ったこと
日本の縮図でもある兵庫県の山海部では少子高齢化や人口減少により、小規模集落や限界集落が増加し、いっぽう阪神間などの人口密集地では、地域文化継承の断絶が起きている。多様な文化、民俗、風習、建造物などをいかに活用しながら後の世代にバトンタッチできるかの瀬戸際が、2020年である。
兵庫県地域遺産活用指針~地域の宝を五国で活かす~(概要版) 2019>>https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk47/documents/chiikiisansisin_gaiyou.pdf
兵庫県「文化財保存活用大綱-歴史文化遺産を未来に伝えるために-(概要版)」2020>>http://www.hyogo-c.ed.jp/~shabun-bo/gyouseisituhp/top/taiko-gaiyo.pdf
文化庁が2015年~につくった「日本遺産」は、文化財を観光活用に舵を切った日本文化財界の契機。コロナウイルスの発生で、こうしたビジネスモデル(インバウンドタイプ)に過剰に傾く恐ろしさを皆が痛感。
偏重はよくない、逃げ場がなくなるから(実はみなわかっていたが、他に手がなかったのが実際) 。
観光客激減でうろたえるのは、自分の足下を危うくした「人頼み・外国頼み」したことへのしっぺ返しである。
愛国心をくすぐりつつ、観光による金儲けを指南してきた行政とそれにすがった地域はどこへ向かうべきなのだろう。
Heritage ヘリテージという美辞麗句に浮かれていた自戒も込めて「温故知新」日々勤勉に学び、自他のために働く中で必要なものを見つめ直さなくては。
兵庫県文化財課のスケジュール
2012年 地域の特色ある歴史文化遺産を活用して「ふるさと文化の創造的伝承」を実現する『歴史文化遺産活用構想』をとりまとめる
2017年 『歴史文化遺産活用構想』に基づき「歴史文化遺産活用ガイドライン」を作成
2020年 『文化財保存活用大綱』策定
日本の文化財―守り、伝えていくための理念と実践– 2019/3/29
池田寿 (著)
古文書保存に関して役立つ本です。素人が扱うのはこわい文書ですが、膨大な史料をすべてプロに委ねることも難しい。そこでちょっとした知識がこの本で養えます。
兵庫県文化財保存活用大綱・兵庫県地域遺産活用指針策定記念シンポジウム
1.日時:令和2年3月20日(金・祝)
13:00~16:30
2.会場:兵庫県民会館 11階 パルテホール
(神戸市中央区下山手通4-16-3)
3.企画内容
第1部 概要説明
兵庫県地域遺産活用指針 (地域資源課)
兵庫県文化財保存活用大綱 (文化財課)
第2部 基調講演
八木雅夫氏(新居浜工業高等専門学校校長・兵庫県景観審議会委員)
「歴史文化遺産を保存・活用した地域創生と地域の将来像」
第3部 パネルディスカッション
事例報告
中山栄一郎氏(ヘリテージマネージャー)「地域交流活動」
井上 舞 氏(神戸大学地域連携センター)「大学との地域連携」
德㔟 貴彦氏(地域づくりプランナー)「歴文構想・地域計画作成」
前野 良造氏(宍粟市山崎中心市街地活性化委員会)「地域資源を使った町づくり」