京町家の足下と機織り工場の屋根
京都市文化財マネージャー(建造物)とは
京都には,貴重な財産である多数の歴史的建造物が残っています。これらを保存・活用し,後世に伝えるためには,専門的知識を有する人材が必要です。
京都市では,指定・登録された狭義の建造物に限らず価値のある歴史的建造物を広く文化財と捉え,その保存・活用のために活動する専門性の高い人材を育成し,活躍してもらうため,京都市文化財マネージャー(建造物)制度を始めました。
京都の17年
学生時代の4年間と東山で13年数寄屋や茶室の専門設計にかかわり、京都らしさを体に叩き込んだ頃、活動拠点を兵庫県に移しました。1997.1.17の震災後、兵庫県が先駆けとなりヘリテージマネージャー制度、をつくった頃でした。
古き良きものを見定める目は京都が自負するところですが、古社寺や老舗・職人があまりに奥深い世界を持っているため、普通の町家を顧みるタイミングが少し遅れたように思います。今京都を襲う経済的な実利性は、どんな伝統破壊への危機感も軽く乗り越える暴力となっています。かつて京都の町家を仕事場としていたものとしてそのまちの変容にはしばしば目を覆います。
兵庫県が突然直面した数々の伝統建築との別れは、その後多くの人々の理と智を結集する原動力となり兵庫県ヘリテージマネージャーは14期に達しています。府県境を超えていっしょに考えることができればと思います。