畳と式台

旧河澄家 式台 和の神髄 客を迎える

旧河澄家 畳と式台 和の神髄 客を迎える

【相談】某局のTV番組で「畳特集」を企画しています。何か畳について語れる題材ありませんか?

【答え】

  • 室内で素足になる地域、たとえば日本と韓国、東南アジアにおける「床文化の違い」について
  • 畳寸法の日本文化史・・・地方によって違う畳寸法、修練された寸法の美しさ
  • 畳の間で暮らす人々から、畳生活の神髄をさぐる(茶道や京町家の達人に聴く「畳文化」)
  • 畳と温熱環境・・・なぜここちいいか、なぜ寒いか

畳と対で思い浮かぶのは、板の間、その中でも式台の持つ美しさは現在の住まいでは見落としがちです。古建築や町家で出会う「式台と畳」の関係にはその家の格式と審美眼が表れています。格式をもとめて形式に陥りがちですが、ピリッとセンスを活かす材料と納り・寸法が必要です。

式台は履き物を脱いではじめて触れる床です。かつては格の高い屋敷などで貴人が神輿や籠から降りた場所でもあるので、その木目は短手方向で奥行きが深いのですが、その用途がお客様を迎える気持ちになった町家では、木目が長手方向になりやさしくなります。

そうして居室に入ると貴人やお客様の足が触れる床は、みな畳となって日本の住空間ができていきます。舐めるように掃除の行き届いた板床や畳表に足袋摺れの音、そして足触り、日本人ならではですね。

191107智頭石谷家の中継ぎ畳 191107智頭石谷家の中継ぎ畳

畳表の真ん中でい草を継いだことがわかる「中継ぎ表」。い草のいい部分だけを二重に使用するので贅沢な仕様です。

畳のはなし (物語ものの建築史)– 1985/11/30
佐藤 理 (著), 山田 幸一 (監修)

座敷のはなし (物語 ものの建築史) – 1998/1/1
吉田 高子 (著), 山田 幸一 (監修)