伝統構法の木造住宅は基本的に柱がみえる「真壁」です。柱と柱のあいだに襖や障子、硝子戸が入っていることが多く、壁があったとしても柱より少し凹んで、しかも土壁で、釘やビスが効きません。
どこにでも手すりが着くように考えられた今時の建物(壁が「大壁」で、下地が構造用合板)と違って、介護用手すりを取り付ける場所に苦労します。
そこで、考えたのが手すり下地になる方立て(小柱)の設置です。建具がはいっていてもこの方法で手すりが付けられますし、いらなくなったらほぼ元通りに戻せます。何より土壁や建具を傷つけなくてすみます。
上部は、ツーバイフォーの材料を鴨居に半分掛けてビス留めし、下部は、L金物を使って方立てを敷居に取り付けます。その方立てに手すり金物(ブラケット)を取り付けることで、建具の開閉を妨げずに、必要なところに手すりを取り付けられます。
住み慣れた自分の家でできることを助けてあげる気持ちで小さな介助。家も少々のことは喜んで受け入れてくれます。柱が表に出ていて造作しやすいのも和風建築のよさでもありますね。
家族のためのユマニチュード: “その人らしさ”を取り戻す、優しい認知症ケア – 2018/8/24
Yves Gineste (原著), Rosette Marescotti (原著), イヴ ジネスト (著), ロゼット マレスコッティ (著), 本田 美和子 (著)
「あなたのことを大切に思っています」その気持ちを伝える技術が、「ユマニチュード」です。
ほっとするイラストで「介護のことで不安になっている人が、たった1ページを読むだけで、「よし!」と元気が回復する本です。
一生懸命介護をしているのに、どう接していいかわからず、途方に暮れることがあります。認知症でなくても年をとるということはこういううことか、とうなずける人間心理を解説されていて、自分自身に振り返って役に立ちます。
一種テクニック、ハウツーではありますが、読むこと自体で癒やされる本でした。