古民家再生支援事業2024(兵庫県)

ひょうご住まいサポートセンター 古民家再生事業
損する空き家・損しない空き家 フロントページより

2024.4.19調査受付のスタート、現在は開きの選定会議に向けて再生提案(県の派遣事業)の申請受付中です。

自主提案で工事費補助を目指す場合、古民家再生支援事業の「調査」は必須ではありません。わざわざ調査を申請する必要がありません。古民家再生専門員でなくても自主提案は可能です。詳しくはひょうご住まいサポートセンターにお問い合わせください。>>

古民家再生促進支援事業 よくある質問と回答>>
古民家再生補助の手引き>>

建物調査・再生提案 <応募受付中!>

兵庫県古民家再生促進支援事業スタート!

和の住まい設計 古民家再生支援事業事例>>

「調査」と「提案」の申請は令和6年度は、例年ですと4月半ばから受付けを開始、事業の詳細は兵庫県「住宅政策課」までお問い合わせください。令和6年度まちづくり部補助金交付要綱(古民家関連抜粋)

古民家再生の好例がまとまりました。ほとんどが市街地以外のまちおこし的なもので、市街地の歴史的建造物では難しいようです。

「ひょうごの古民家再生 十年の軌跡」>>https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks26/documents/jireishuu2.pdf

140530神戸ハンター邸のベランダ

ひょうごの近代住宅100選のひとつハンター邸は明治40年(1907)に英人エドワード・ハンターの邸宅で、明治23年(1890)に建てられた建築を移したもの。英国ヴィクトリア朝風。
(ハンターがはじめた造船所は日立造船の前身)

平成30年度から「ひょうごの近代住宅100選」に対してこの事業の対象とし、景観まちづくりアドバイザーを派遣することになりました。景観アドバイザーの検索は>>https://www.hyogo-ctc.or.jp/machicen/hyomachi/modules/landadv/

ひょうごの近代住宅100選とは>>県土整備部住宅建築局住宅政策課https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks26/machi-saisei/kindaijyutaku.html

耐震補強への措置も厳しくなっています。

兵庫県空き家活用支援事業の実施(原則中核市(姫路市、尼崎市、西宮市、明石市)以外の市町)>>
神戸市空き家活用支援事業の実施>>

調査から工事まで多数の事例があります。要件に合うか、相談されたい方はご連絡ください。>>問合せフォーム

山東町の古民家 石積みと土壁
山東町の古民家 自然の恵み

 

工事補助

国の施策にならい、歴史的建造物に対してうんと拡充されています。まずは市町村に、予算があるか、また条件などを相談しましょう。

必要書類

①補助金交付申請書,収支予算書
②誓約書
③事業計画書
④事業費内訳表
⑤承諾書
⑥耐震性能確認書
⑦誓約書
⑧自主提案書(再生提案報告書ない場合)
⑨債権者登録書
⑩見積書の写し
⑪建物図面
⑫建物の所有者が確認できる書類
⑬現況写真
⑭あれば、建物調査報告書の写し
⑮あれば、再生提案報告書の写し
⑯あれば、フィジビリティ調査報告書の写し

補助事業の対象となる用途・・・実質、何でもOK

  • 地域交流施設等の1. 地域活動や交流の拠点・・・年に2回程度の公開ぐらいでもOKです
  • 地域交流施設等の2. 宿泊体験施設及び店舗等の地域活性化に資する交流施設
  • 賃貸住宅(歴史的景観形成地区等に存するものに限る)
  • コワーキングスペース(専ら快適に事務作業ができるよう OA 機器、デスク、椅子等の設備及び通信環境が整えられた建築物又は建築物の一部であって、利用料を徴収して不特定多数の者に貸し出されるものをいう)

改修条件

  • 古民家再生支援事業調査済みであること(提案は任意だが自主・実費での提案が必要)・・・自主提案なら「調査」も不要 240404
  • 古民家の価値を保つこと
  • 地域と連携かつ10年続く事業であること(3年ごとに知事に報告)
  • 耐震性あり(耐震診断と補強は必須)
  • もちろん法令遵守ですので「用途変更」に注意
  • 古民家の存する市町からも改修工事費助成を受けること(随伴行う17市町:養父市、神戸市、丹波篠山市、丹波市、朝来市、多可町、洲本市、三田市、豊岡市、宍粟市、神河町、淡路市、西宮市、南あわじ市、赤穂市、たつの市、伊丹市 ★予算があるか市町にぜひ問い合わせてください。応募件数によっては、減額や採択されないケースもあり)
  • 対象工事に庭の整備などの外構工事、エアコン等はずせる機器代は含みません。塀や建物に絡めて考えましょう。240404

耐震性能は?

評点1.0!0.7でも伝統構法の建物には結構大変です
(危険時の避難を考えることで0.7もあり 県北部の積雪荷重にも注意)

>>伝統構法の耐震診断の種類
>>耐震改修補助事業 便利メモ

補助対象の古民家とは

  • 築50年以上の住宅(町屋、武家屋敷、庄屋、農家、豪農屋敷)
  • 軸組構法で造られた建築物
  • 接合金物に頼らない伝統的な継ぎ手・仕口を用いた建築物
  • 筋交い等の斜材を多用せず「貫」を用いた建築物
  • 主要な壁は土塗り壁等の湿式工法を用いた建築物
  • 屋根は和瓦又は茅葺き等伝統的素材を用いた建築物

その中でも歴史的建築物とは NEW!!

  • 景観法(平成16年法律第110号)に基づく「景観重要建造物」
  • 県又は市町の景観条例等に基づく「景観形成重要建造物等」
  • 文化財保護法(昭和25年法律第214号)に基づく「指定文化財」又は「登録文化財」
  • 重要伝統的建造物群保存地区内の伝統的建造物
  • 「ひょうごの近代住宅100選」に選定された建築物

用途地域と用途変更に注意

「茅葺民家あんしん活用ガイドライン/こうべ茅葺トリセツ」2023改訂版>>
https://www.kobe-kayabuki.city.kobe.lg.jp/wp-content/uploads/2023/02/202302torisetu.pdf

神戸かやぶき古民家倶楽部>>https://www.kobe-kayabuki.city.kobe.lg.jp/

フィジビリティ調査費補助

フィジビリティ(Feasibility)とは、「実現性」「実現可用性」のことで、フィジビリティ調査=フィジビリティスタディ(feasibility study=F/S)は、「プロジェクトの可能性、採算性などを調査」することを指します。建築基準法や都市計画法などの法制度・規制、技術、自然・社会環境など全般の状況を考え、マーケティング動向も調査対象となります。投資性の判断においては「絵に描いた餅」にならぬよう、またクラウドファンディングなど資金集めにいたる事業の実現性が必要です。

再生提案等を行った古民家のうち、提案された用途への持続的な施設運営に向け、実現可能性などをあらかじめ調査・検討する場合、地元市町を通じて調査費の一部を補助します。県補助額25万円かつ市町が補助する額の1/2以内。だれがF/Sできるのかは、ちょっと気になります。ほとんど利用されていないとのことです。

200829川西市民俗文化財 能勢型民家の縁 低い軒先 下堂家

予算確保が第一歩

市町の古民家再生予算の窓口を探す→工事年度の予算があるかどうか確認→なかったら補正予算の可能性を聞く→予算確保条件は念入りに聞く(提案順か、内容か、実行性か)

工事補助は随伴

高額いただける工事費補助には地元自治体(市町村)の費用負担(県負担と同額以上)が条件ですので、たとえば、

  • 市街化調整地域の農家住宅などは、過疎対策や空き屋対策の課、または農政関係の課
  • 市街地の場合は、空き家対策課
  • その他景観課、観光課、住宅政策課、地域振興課など

地域貢献のメニューを加えた活用用途・方法を考えて応募してみましょう。

工事の補助申請したいなら、古民家再生促進支援事業の「調査」派遣をうけることは必須で、通常は「提案」を経過する必要があります。(同年度中に調査、提案、工事は難しいので、余裕があれば調査・提案と工事を年度をわけるのが通常です)

が、「再生提案」派遣は同じフォーマットで自主的におこない、その内容をもとに、工事費補助に「飛び級」すれば同年度に「派遣による調査」なしでも~工事が可能です。240404

市町村と県の随伴事業ですので、まずは市町村の随伴できる施策を調べたり、随伴をうながすよう市町村に働きかけることが肝要です。

見積書のチェック

いわゆる国交省系の補助事業形式ですので、図面や見積書のチェックは厳しく行われます(当然ですが)。こうした県住宅政策課とやりとりする「補助をもらうための経費」もかなりかかるようですのでご注意ください。しかも担当者も数年おきにかわるので、こうした補助金対応業務の説明が十分なされないようですので、補助額にうかれることなく、事業主旨にそった丁寧な対応が必要になります。

「用途変更」に注意!

ただし「用途変更」など建基法上のあたりまえのことは事前に確認しましょう。県土整備部土木事務所や建築指導課の現地調査もあるので、事前に「用途変更等」にかからないか、かからなくても事前相談にいきましょう。工事補助申請自体を受け付けてもらえません。

補助決定前に土木事務所や建築審査課などからチェックあり、事前に協議していないと呼び出しがかかります。また、接道状況(4m)の調査を忘れないように!

施工者選び

施工者選びは補助金がもらえることに甘えることなく、厳しく行ってください。

上記見積にも経験が必要で、補助金業務になれた業者でないと双方にうまく運びません。もちろん補助金初心者もこうした事業を通じて行政や地域の問題点を識る機会を得られますのでトライアルな姿勢でともに進みましょう。

情報公開に注意

派遣に対して所得制限などはありません。そのかわり「兵庫県またはひょうご住まいサポートセンター」が、本派遣による成果品「古民家再生提案」から「古民家再生提案事例集」を作成し、古民家再生を支援・促進する資料として公表する場合があるらしいので気をつけましょう。実際は十分役立てられているとは思いませんが・・・。

県住宅政策課が県の担当課。課によると、「申請者の了承なく勝手に公表はありません、当然です」とのことです。

兵庫県古民家再生促進支援事業は、古民家所有者の方の費用負担はありません。設計(耐震診断や改修設計)は自主契約で依頼できます。

古民家再生、そのほかの支援メニュー

■芸術文化活動への支援(県による支援)https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk18/ac13_000000011.html
・・・2024年度も募集中
■兵庫で田舎暮らし>>http://support.hyogo-jkc.or.jp/inaka/
新・田舎暮らしを応援する兵庫県のサイトで、田舎暮らし成功の秘訣から先輩インタビュー、物件情報などを発信。関西、近畿の方はもちろん、全国にピーア―ル中。
■空き家活用支援事業>>https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks26/machi-saisei/sato-akiya/sato-akiya.html
空き家への居住に向けた水回り等の改修工事費の一部を助成(50~100万円)。ただしエリア指定があり、どこの民家でもいいわけではありませんのでご注意ください。なかなか埋まらない空き家事情で、こうした助成がこれからも拡充していくことでしょう。兵庫県では、ストックの有効活用や、地域の活性化につなげるために、平成28年度より都市部も対象とする「空き家活用支援事業」に名称を変更。

古民家再生促進支援事業の費用について(数字は補助相当額です)

・専門家派遣による建物調査とアドバイス・・・6万円分の作業→申請者負担は原則ゼロ
・専門家派遣による古民家再生提案・・・30万円分の作業(発表会出席、プレゼン資料作成など含む)→申請者負担は原則ゼロ
・改修工事費助成・・・古民家なら1000万、歴史的建築物なら2000万円(注意:県・市あわせた補助額で、申請者負担必要)

不動産リノベーションの企画術

– 2018/9/16
中谷 ノボル (著), アートアンドクラフト (著)

時間に培われた土地・建物の魅力は、物件の差別化に欠かせない。そんな建物の価値を高める企画・設計・販売のツボを開拓者である著者が伝授してくれます。「物件の個性を見極め、勘の良い入居者を惹きつけ、場の価値を高めるノウハウ」とは言い得て妙。

自治体によっては空き家アドバイザーの派遣をしています。

アドバイザーの例:NPO法人兵庫空き家相談センター>>http://h-akiya.jp/member.html

不動産物件として有効な場合は、不動産部門に、そうでない場合は上記団体の会員らがなどがサポートしてくれます。(建築士や土地家屋調査士や店舗プランナーが在席していて、物件の価値を見出すブランディングや具体的な事業者とのマッチングに期待ができます。)