新耐震の中古住宅の【断熱】特性と実態
新耐震だけど2000年仕様でない頃の中古住宅の断熱性は一体どれぐらいでしょうか?
壁と屋根のグラスウールは厚さ50㎜で、ほんの気持だけ入っています。床下はほとんどが断熱材無し、です。
床下は、DIYと工務店さんで合わせてほぼ断熱材を「後入れ」できましたので、特に長時間立っている1階の台所の快適性はうんとアップ。ただ朝方の室内温度は外気温+2度ぐらいですので、1・2月は10度を下回ることもあります。2階の天井は屋根なりの勾配天井なので、断熱材の後入れは難しく、10年前に断熱材入りのガルバリウム鋼板(アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)のカバー工法で熱射・断熱をコントロール。
1階の天井裏には和室の押入れの点検口からできる限り断熱材(グラスウール50㎜+50㎜)を入れ、少しほっこりできています。
残るできることとしての選択肢は、「内窓」でした。時代的にまだまだ開口部を多く採る設計の木「大開口木造住宅」(開口率が大きい)で、しかもアルミサッシは単層=シングルガラスで、気密性が劣る時代のものです(特に上下のレール際からはすーすー外気が入ってきます)。おまけにサッシの召し合わせや戸当りのゴムパッキンの経年劣化も有り、気密性は木製建具よりややある程度です。
断熱対策 DIYですぐできること
「窓」が課題と思いながら、暫定的なDIY断熱工事としては、
- 長くいる部屋のサッシの内側に「プチプチ」シートを垂らしたり、
- 「プチプチ」シートをカーテン裏に仕込んだり、
- 寝室の頭元の外壁には壁全体に断熱カーテンを設置したり、
- 和室の紙障子の内子の内側にポリカのツインカーボ(中空ボード4㎜・高価)を仕込んだり、
- 見かけを気にしない場所には、プラダン(プラスチック段ボール/3-5㎜中空カーボ・安価)をはめ込んだり、
- 景色を楽しみたい部屋のサッシには透明のテーブルクロス(厚手のビニルシート/テーブルマット)を垂らしたり、
- 遮熱対策に窓硝子に遮熱シートを貼ったり
いくらかの空気層を作って「冷感」(熱感)を緩和していました。
気密対策 DIYですぐできること
また「開け閉て」しないことを決めた開口部のアルミサッシの内側もしくは外側から「貼ってはがせる透明防水テープ」で気密性をガッチリ確保しました。このところの温暖化で夏も24時間空調するようになって、「通年」の気密確保が必要あり、ここしばらくこうしたはめ殺し=FIX状態の窓が増えました。
こうして数年経ちましたが、季節毎に冷気・暑気に耐えかねとうとう「内窓」を決心したのでした。懸念したのはやはり通風や出入りに絡む窓の開閉や窓硝子や建具枠がうっとうしくないだろうか、掃除や施錠が面倒では・・・、です。
内窓の結果、とても快適でした。
メリット・・・内窓にしてよかったこと
- 見通し、大丈夫
- 開け閉めしないと決めたら窓管理全般も楽
- 防音性能が高くなり静かな室内を確保
- 窓掃除は窓同士の内部はよごれないので、最外部と最内部のガラスだけでOk
- 防犯性がアップ
- 外から内部が見えにくくなり快適
- 吸気口は残る隙間でとれているよう
デメリット・・・内窓にして困ったこと
- 防音性アップで、今まで早朝などに聞こえていた小鳥の鳴き声が聞こえない(寂しい)
- 隣家の出入り、車の近づく音も聞こえない
- 換気を心がけないと空気の汚れや「臭い籠り」が気になる・・・空気は見えない
- 換気扇をONすると「負圧」がかかり、一部のドアが開けにくくなる
- 内窓対策できていない一部の小窓に隙間風が偏る(給気時のほこりがたまる)
- 後付けの内窓の額縁は樹脂なので、経年劣化や破損が気になる
プチ情報・・・中途半端に気密性の上がった家、ここに注意
- 台所の換気扇で強制的に大容量の排気を行う場合は、排気とショートサーキットを起こさない位置でかつにある小窓を開けて吸気口とする、もしくは開閉できる吸気口を開ける(自然給気口 /給気清浄フィルター付)
- 2階で内窓にする場合は、ダブルガラス(複層ガラス)のサッシ(ガラス及び枠)は非常に重いので、耐震性にやや影響があります。特にうちのような開口率の大きい時代のアルミサッシに多量の内窓を設置すると数カ所で数百㎏の重量アップ(耐震性ダウン)の危険性があります。構造に余力があるか確認しましょう。
- 家の中で起こった異常事態に避難経路にこうした二重窓やテープ止めしたがある場合、避難が遅れる危険性があります。ぶち割る工具(レスキューハンマー)が必要かも知れません
内窓(大窓3箇所)は半日
採寸調査後約3週間、朝一に搬入して額縁(樹脂枠)を取り付け、場所によっては枠が既存の額縁から前にはみ出るので、ふかし額縁(木枠)を特注して取り付けます。思ったよりあっけなく上手に取り付け完了でした。木枠には自分で蜜蝋ワックスで手垢止めをして完了です。
費用は3箇所60万円でのちに先進的エコリノベの補助金で1/3(20万円)いただきました。