覆い屋の耐震補強
指定文化財の神社本殿覆い屋の耐震補強の事例です。
本殿は三間社流れ造、檜皮葺です。戦前築かと思われる銅板葺き切妻の覆い屋が守っています。
覆い屋は、正面以外は半間毎に柱を建て、横貫で軸を作った大きな平入りの覆い屋で、剛性をあげるために入れられた大きな筋かいは柱間二つ分に渡って大きなバッテン筋違としています。しかも二重に入れて、意匠性も考慮しているようです。
この覆い屋は、意匠性も高く、腰は玉垣風に山型に上端部を細工した腰板がまばらに足下を守っています。本殿を紗のような防鳥ネットの向こうに貸すんで本殿が鎮座し、大屋根には鰹木と千木も備えています。
丸太の大筋違
さらに三柱間分に大きく後補と思われる丸太の大筋違をいれています。1995年の震災後には大開口で無柱の間口方向の剛性を上げる突っ張り棒を外部に侍らせ覆い屋の横向きの倒壊を防ぐ策が施されています。
年々増す地震への不安を拭うように策が図られています。