Q.相談 評点アップの方法
昭和30年代築の田舎建て(農村住宅風の伝統建築)の耐震改修です。外観はツシ2階式だが実態は平屋。田の字型の間取りで、南・北面に縁がつき壁量の偏りのある建物です。
戦後建築なのでせめて布基礎かと思いきや、外周にしか布基礎がなく、内部は全て玉石基礎(石場建て)です。一般診断を使って耐震補強して評点1.0を目指したいのですが、どうしたらいいでしょうか?
A.答え
内部玉石基礎は一般診断での基礎評価はⅢ、外周無筋コンクリート布基礎は一般診断での基礎評価はⅡ。間取りの工夫で内壁の多くを合板で固めて補強しても評点が大きく上がりません。建物を揚げ(建物をジャッキアップする)て新に布基礎やベタ基礎敷設するのが1番ですが、予算もあるとのこと。
柱・玉石を触らず、地面を掘らずに鉄筋入りのコンクリートで玉石ごと地面を固めてしまいましょう(玉石混じりのベタ基礎)。また柱の下部を繋ぐ横架材として足固めを設置し、足固めから下を筋かいや合板で固めます。その上柱か足固めを敷設したRC基礎に金物で緊結します。
そうすることで玉石基礎Ⅲを無筋布基礎並みの基礎Ⅱと評価でき(建防協仕様)、構造計算に算入できますので、合板補強した壁がより効果的に評点に結びつくことになります。
手間はかかりますし、工事後の床下は非常に窮屈になりますが、評点を上げるひとつの方法となります。
こうした建物は水平構面も弱いので、縁平面を母屋平面ときちっと一体化することが大切です。
ちなみにこの年代の建物の土壁の付け方は独特ですので、耐震要素に算入する際は天井裏も調査が必要です。