舟錠でしょうか、下部に緩く弧を描き、その縁取りに波や猪目が見えます。台座もふりふりしながら矩形を囲み、結び会う鐶を呼び出す出口は楕円の凹みです。
大きな観音開きの土戸をほどよい距離で引いて見るので丁度よい「大きさ振り」を考えた錠前意匠です。
この鎧蔵には奈良市指定文化財の「茶糸威胴丸具足」がかつて納められていたそうです。それは徳川家康が慶長19年に参詣し奉納したと伝えられています。
本殿への階・きざはしのささら 彫刻と彩色には呪術的な気配も。
拝殿も隅々に心を配った意匠が施されていて、在神。
正面の拝み部分の錺は懸魚の縁取りまでに及んでいる