登録有形文化財の補助 申請の手引き2024

2022登録文化財補助事業の申請手引き

2024.10.21文化庁の全国総会では今後インバウンド絡みの補助金に加え「国土強靱化」予算が登録文化財にも流れる可能性があるとのこと。災害復旧、防災(耐震、防災-風水害、防犯)において確実に前進を促していました。以前文化財系予算は十分ではありませんが、文化財の活用、お金を生む付加価値を備えた文化財でないと生き残れない、、、との感じでした。きれい事では遺せない時代です。

登録有形文化財(建造物)に関する各種補助事業の申請手引きの更新です【2024更新】。登録有形文化財が所在する市区町村の文化財担当部局に相談してみましょう。詳しくは>>登録文化財の手引き3 補助事業の申請(文化庁)

登録有形文化財建造物に関する国庫補助事業は三つ

1)登録有形文化財建造物修理等事業・・・補助率50%
➊設計監理事業(災害復旧を含む)・・・保存修理
➋公開活用事業・・・保存活用計画、活用工事
➌災害復旧事業
2)観光拠点整備事業(文化観光充実のための国指定等文化財磨き上げ事業)
➍美観向上整備事業(磨き上げ事業)・・・公開のための修理、補助率50%+α、工事設計監理費へ~5000万(望見できる、公開時に見える部分であることが条件、公開の程度・頻度も問われる、木部の骨組みなどの見えない部分の修理は補助対象外、要入札、外国人訪日客の増化が目的)・・・所有者個人で申請できるのはこれだけ
➎活用環境強化事業・・・保存活用計画、活用工事(保存活用計画を有資格技術者が行い、それをもとに耐震や設備等の環境整備工事に支える) 3)地域文化財総合活用推進事業
➏地域のシンボル整備等事業のうち、機能維持事業(以下、シンボル事業)

磨き上げ事業の年間スケジュールは、

毎年6-8月 概算要求(都道府県とりまとめ)・・・工事費概算その他図面など資料準備

毎年11月 予算要望(都道府県とりまとめ)・・・ここまでは滑り込み可能

毎年1月 事業ヒアリング(都道府県対応)・・・文化庁と都道府県が協議し仮決定

毎年 1月、4月、9月、12月 補助申請(事業者)・・・正式に申請 ★工事には正式な入札が必要

毎年4月、6月、11月、2月 交付決定(国)→県とか

230127橿原市の民家 庭木の猛威

登録有形文化財建造物修理等事業費国庫補助要項(2020改正)>>https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/joseishien/hojo/pdf/torokuyukei_kenzobutsu_kokkohojoyoko.pdf

登録有形文化財(建造物・美術工芸品)修理等事業費国庫補助要項(2022改正)>>https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/joseishien/hojo/pdf/93780701_01.pdf

令和5年度地域文化財総合活用推進事業(R5年度募集締切り)>>https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/joseishien/chiiki_kasseika/r05_sogokatsuyo/

観光拠点整備事業(文化観光充実のための国指定等文化財磨き上げ事業)国庫補助要項(2021改正)>>https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/joseishien/kankojujitsu/pdf/93181501_02.pdf

登録有形文化財: 保存と活用からみえる新たな地域のすがた
2017/10/19 佐滝 剛弘 (著)

地域おこしの拠点としての役割も担う登録有形文化財、地域の歴史や文化と強く結びついた1万件を超える登録物件の多様性がそのまま多様な利用法に現れており、地方創生や観光資源の再発見に注目が集まっている。本書は、全貌を俯瞰するはじめての一般書であり、多様で奥深い世界へいざないその魅力を余すことなく伝える。

Amazon

文化遺産の保存と活用-仕組と実際
2021/10/30 小松 弥生 (著)

長年にわたって文化庁で国の文化行政を担い、都道府県・指定都市・市町村のすべての立場で教育長として文化財政策の責任者を務めてきたエキスパートによる待望の現代文化遺産論。 沿革、背景から最新動向まで全貌をくわしく解説

Amazon

奈良県の登録文化財【菊水楼】(R4年度 国際観光旅客税財源観光振興費・文化資源活用事業費補助金)
結婚披露宴の記念撮影に遭遇 古都に雅びのひととき

写真は菊水楼の表門で江戸期/明治期移築。春日大社一の鳥居に突き当たる三条通に面した南側に建つ。圓成寺塔頭の門を明治時代に現在地に移築したと伝える。本瓦葺の薬医門は伝承が首肯されるような風格をもつ建築で、歴史ある料理旅館の表構えに格式を添えている。旧本館は明治24年、本館は明治34年築。

文化庁