仁川百合野町地区地すべり資料館
1995年阪神淡路大震災で地すべりを起こした百合野地区に法面の改良工事が行われ、この法面監視&資料館と慰霊公園があります。のどかに草花で彩られた斜面がぞっとする光景に感じた一日でした。
六甲山系の東端の甲山で親しまれる阪神間ではおなじみの光景の中に、盛土がごとく埋まっている危ない情報がたくさんあることがわかりました。
高度経済成長において便利な阪神間での人口拡大は、こんなところにといった傾斜地に宅地造成が行われていました。その危険性がために昭和37年宅地造成等規制法施行令が施行されましたが、それ以前の造成地の安全性には大きな疑問があります。
ここ百合野地区では山上に広がる浄水場施設と地すべりのとの関係が疑われる中、地すべり部分の改善工事がすんでいるものの、その周辺部の安全性をどうするのかは神頼み。気候変動に連動した激甚災害が数年単位で勃発する時代に「どこで住むのか」は自己責任。だれも守ってくれません。人口減少の時代に、わざわざ不安な場所に住むのは考えもの、ということです。
いっぽうで、資産価値との兼ね合いや地盤改良や杭基礎など土木技術の進歩により、危険宅地でも合法的に建物を建てることはできます。日々そうした宅地では造成地盤の危険性をそのままにして今も建物の更新(建築確認申請)がなされているわけです。
土中の危険、石積みの危険
ひとつは、大規模盛土造成地マップに指摘されている人工盛土の危険・・・明治時代の等高線に現在のものを重ね合わせてできる盛土の大量な地域です。
もうひとつは、既存不適格擁壁の危険・・・現行法ではNGな危険な擁壁、しかもそれらはもう60才。劣化の危険と、そもそも盛土の液状化やすべりの危険
これらを念頭に、自宅の人工地盤の調査が必要ではないかとの問いかけです。