
【倒壊例】縦長木造2階建て 1995阪神大震災での倒壊の様子
屋根が重く、2階の耐震壁が不足、筋違も力及ばず外壁(ラスモル)剥離して2階傾く

現況の耐震診断

現況平面図 2F

現況平面図 1F
現況平面図 1Fは4DK,2Fには貸し室があります。

評点は0.18、必要耐力の18%しかないという結果です。壁の配置バランスも悪く建物の偏心が顕著です。
建物概要

土壁は梁に届かない「間仕切り壁」(耐力低減されます)

震災後によく見かける足回りの損壊痕・・・修理のしようがなく
崖の上に外階段を持つ木造2階建ての住宅です。2階は一部賃貸になっています。南北に長細く切妻の屋根、建築当初のまま釉薬瓦が土葺きで載っています。壁も土壁で、内部の土壁はほぼ天井までしかありません。
補強計画 間取りそのまま耐震・断熱+仕上げでリフレッシュ

2F

1F
補強後の平面図
屋根を軽いもの(石綿スレート)に葺替え、劣化改修を十分行った上、断熱改修を含め1階は内壁と天井と床を撤去する大がかりな改修とします。壁の補強はリフレッシュする部屋を選んで行い、バランスを矯正します。この際、水回りの更新を行って安全快適な住まいにとの計画です。

改修費用

壁床天井天井の+撤去補強費用として約416万円との結果です(達人診断)。断熱性能のアップもご希望です。外壁や屋根・樋の外装で250万~、1.2階の水回り3カ所の更新を加えると300万円~、サッシや内装ドア、全室の仕上げや収納も更新すれば600万~その他設備を合せると総計1500万~2200万はかかると思われます。
工事面積が約40坪ですので、解体して新築すると3500万~ぐらいなので、改修にトライするメリットはあるかもしれません。
ちなみに造成や石積み、内部の基礎については詳細に調査をする必要があります。建築当時と現在では検証する安全率がかなり違うため、整合性をとると解体し建替えるとの結果になることも多いです。(現在の感覚での安全・安心・快適の性能は50年まえと比較にならない)