打出小槌町の九帖堂

久しぶりに打出小槌町の鞍塚不動明王の九帖堂、地蔵堂にお参りしました(芦屋市)。

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200409鞍塚不動明王 打出小槌町の小堂

 

200409鞍塚不動明王 打出小槌町の小堂 鰐口吊り

間口一間半、奥行き3間、正面を全開口にし奥に石造物(不動明王)を祀り、入口近くにベンチを備えます。ここは比較的新しいお堂ですが、石の地蔵や馬牛燈をみると昔からそこにあるものだとわかります。毎日のお参りと守りや掃除などの折に近所の方と他愛のない世間話をする様子が目の前にうかびますね。

お寺の檀家制やお宮の氏子制もいずこも宗教と人々の関係が希薄になってきています。そんな時代に、掃き清められ供花が揺れる小さなコミュニティに接して、何かを祀ることの本当の意味を思った次第です。

このお堂の構造はシンプルで、屋根も鉄板葺きで軽いため、ほんの気持ちだけ「斜材」で突っ張って建物のへたれ(倒れ込み)を防いでいます。

200409鞍塚不動明王-打出小槌町の馬牛燈

お地蔵さんの脇には「馬牛燈」が一対。お盆のお供え物のひとつ「精霊馬」(きゅうりとなすを用いて作る、馬や牛型の人形)と関係あるのでしょうか。

先祖の霊に早く帰ってきてほしいと迎え盆に馬を作り、ゆっくり戻ってほしいと送り盆に牛を作るなどといわれますが、そんな御霊の乗り物のためにあかりを灯す情を感じます。