古民家、サテライトオフィスへの転用

企業のテレワーク事情をヒントに

現在コロナ禍の中、京都では町家をゲストハウス(宿泊施設)に改修した物件の売買が盛んです。サテライトオフィスとしての需要が急増しているからです。宿泊施設はリネン類の取替や水回りの清掃など管理経費が高くつくのに対して、ネットカフェのようなPCとデスクがあれば仕事ができるホワイトワーカーにとって、空調と電源、Wifi環境のある個室需要は膨らみつつあります。

161206旧河澄家住宅 サテライトオフィス 在宅ワーク 古民家

厚労省『テレワーク総合ポータルサイト』>>https://telework.mhlw.go.jp/

情報通信環境の整備

【在宅&モバイル勤務】
全社員にカメラ付き軽量パソコンとスマートフォンを貸与し、スマートフォンのテザリング機能を用いてテレワークができる環境を整備することで、LAN 環境がなくともテレワーク出来る仕組みを構築→古民家では、できたら無線LANの環境を整備する
【サテライトオフィス&モバイル勤務】
企業が「サテライトオフィス」と契約し、自宅で仕事ができない社員の利用を可能としている。→環境整備と合せて規約や補償を整え、きちんとした契約ができる体制やシステムを用意することで企業が契約しやすくする。企業との契約で時間や費用を気にせず使える「お気に入りのサテライトオフィス=マイオフィス」になっていくことが必要です。

伊丹郷町町家・大星のサテライトオフィス?

ツシ2階の表通り側に設けられた「自習ブース」は、古民家のサテライトオフィス化のヒントになります。古民家トーンに統一して、上手に廉価に!

自由な労働時間

テレワークの拡大に合わせ、コアタイムなしのフレックスタイム制度を適用しつつある企業が増えています
→24時間利用できる体制を整える
企業としては、勤怠管理システムに表示して労働時間を見える化することにより過重労働を防止へもつなげている。→快適で集中できるサテライトオフィスの必要性

多様な人材活用

【多様な人材の活躍】
定年退職後のシニア社員や障がいを持つ社員、子育てや介護で前戦離脱組のお母さん・お父さんらもテレワークの対象として利用を推奨→人の垣根を越える、勿論人種も国境も越えて

【育児・介護と仕事の両立】
育児や介護を担う社員にとって、利用しやすい柔軟な環境→保育環境を整えたり同じ環境を必要とする人たちをターゲットにした古民家Officeにする

【情報管理】
セキュリティ対策が行き届いた「どこでもオフィス」の取り組みは修練中な企業が多い。サテライトオフィスが情報漏洩の温床になっては本末転倒、きめ細かいプライバシー環境が必要となる→可動スクリーンや防音室

【その他】
通常はテレワークが難しい生産オペレーターも、リモートで実施できるかも。

161206旧河澄家住宅 サテライトオフィス 古民家の衛生設備

環境整備 古民家らしく

【バリアフリー環境】
古民家で一番難しいのがバリアフリー→敷地のゆったりした大型民家ならおおらかなスロープを。敷地の狭い、建て込んだ町家型なら簡単リフトで省スペース。

Panasonic車いすで移動する例>>

【快適な温熱環境】
古民家のデメリットは断熱。季節のいいときには解放して自然と一体感を持ったのびのびオフィスといえるが、特に寒さには弱いといえる。可塑性のある自然素材でうまく室内空間を包む感覚でやさしい温熱空間ができないかが課題となる。

【衛生空間/トイレパック】
不特定多数が利用する可能性があるので、衛生環境には特に留意すべきです。死角のない掃除しやすいディテール・素材・性能が必要となります。換気も大事。(自治体によって空き家対策予算で水回りの工事費の補助をしています)

TOTOコンパクト多機能トイレパック例>>

【コロナ対策→安全な個室化/ソロワークブース】
言わずもがなの安全対策。サーモグラフィーも必要かも知れません。

KOKUYOオフィス向けソロワークブース>>

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【用途変更】
古民家は通常戸建て住宅扱いですので、本格的な事務所それもシェアオフィスで不特定多数のひとが一緒に使用するとなったときの用途解釈が建基法上難しいところです。地域交流施設は特殊建築物にはあたりませんので、ひとまず地域交流施設名目での改修を行う場合が多いようです。

歴史的建造物の活用=用途変更リフォーム・リノベ>>

事務所系は一低専など住居系で規模が制限されます。また24時間営業となると宿泊施設との解釈もされてしまうかも知れません。

もう少し検討してみます。