【相談】 足固めと床梁は同じものですか。
宝塚市小浜 豪摂寺の足固め(H鋼を使った例)
【答え】同じにいう方もおられます。私も去年はじめてききました。
・・・玉石建ての現場で、2階の床をさえる梁と同じ見立てで、1階の足固めをそう呼んでおられました。
私はおもに、耐震補強の際、柱-柱の柱脚を繋ぐための後入れの長尺の角材を、足固めといって使うことが多いです。
私は床梁とは別物で、その下部に柱と柱を繋ぐ横架材だと思っているのですが。
語感からすると、私もそう思います。
建築用語図解辞典
– 1970/2/1
橋場 信雄 (著)
私は、単に柱間に架かって入れば床梁(敷居や壁を受けている)で、柱-柱の足を固めていれば足固めと考えていました。
敷居を受ける床梁はホゾで架かっているだけの場合があり、足固めとは考えていませんでした。
PDFの図にあるように、柱-柱に架かる材を楔・栓で固めたり、柱を貫通した材でしっかり繋がっていれば足固めの用をなしていると考えます。・・・補強時に「床梁」を金物で補強して足固めの用にしたことがあります。柱脚に後付けする足固めは床下の移動に邪魔だからです。
【Q】netには床梁その物を足固めと称している場合が有ります。もしそうなら床梁の無い家は有りませんから足固めなんか必要ないですしね。
【A】仰せの通りと思いますが、柱間が壁だけの場合には貫はありますが、足固めはありません。
【Q】ところで足固めは柱と柱を繋ぐものですよね。束と柱や束と束を繋ぐのでは足固めとは言えないと思うのですが。
【A】仰せの通りと思います。
揺れたときに個々の柱脚がバラバラ動くのを防ぎ、柱同士で連担させて(動く力を分散させて)繋ぐ役割が足固めと思います。架かっているだけでも全く足固めの役割がないわけではありませんが。
柱-束-柱はつながり得ますが、柱-束,束-束の繋ぎは足固めと言うよりは束の「振れ止め」=根絡みに思います。束も玉石を踏み外すことがありますから。
宝塚市小浜 豪摂寺山門の柱脚金物
建築用語図解辞典に、「床梁」という用語はありません。
単に柱間をつなぐ柱巾程度の材を足固めと言っているようです。
図説 木造建築事典〈基礎編〉
– 1995/3/1
木造建築研究フォラム (編集)